メインコンテンツへスキップX 線 CT は強力な非破壊検査ですが、一部の電子部品は X 線などの電離放射線に敏感です。受動部品 (抵抗/コンデンサ/インダクタ/PCB) は影響を受けませんが、フラッシュメモリ、IMU、加速度計などは総線量 (TID) に感受性があります。TID はしきい値を超えると特性変化や機能不全を引き起こすことがあります。デバイスごとに許容線量は異なるため、可能なら実験的にしきい値を把握するのが最も確実です。
線量は以下に依存します:
- 線源エネルギー
- スキャン時間
- スキャン回数
- 線源-対象距離
- フィルタ量
高倍率 (対象が線源に近い)・高エネルギーで線量率は高く、低倍率・低エネルギーで低くなります。下図はシリコンの吸収率の例です。
図 1: 190/120 kV Neptune におけるシリコンの吸収線量率
以下は一般的なデバイスの TID 目安です。
| |
|---|
| 半導体デバイス種別 | TID しきい値 (krad) |
| Linear | 2-50 |
| Mixed Signal | 2-50 |
| Flash Memory | 5-15 |
| DRAM | 15-50 |
| Microprocessors | 15-70 |
図 2: Infineon “X-ray Inspection Considerations for Surface Mounted Flash ICs” より
ガイダンス
- 多材料組立ではアーティファクト抑制のためフィルタ使用が一般的。線量は下がるがスキャン時間は長くなる傾向
- 倍率を上げると線量は増えるが、微細特徴の解像が上がり再スキャンのリスクが減る
- 位置決め後は Auto Scan で他パラメータを求め、スキャン時間を調整して総線量を制御
安全性評価の例
デバイス: フラッシュドライブ / 条件: 190 kV, SO 200 mm, Cu 0.5 mm, 3 時間
吸収率 ~2 krad/hr → 3 時間で 6 krad。30 分刻みでスキャンと機能試験を繰返し、故障時の総線量を実験的に求め、マージンを設定します。
ご不明点は support@lumafield.com まで。