概要

試作・製造・ライフサイクル解析における欠陥特定は極めて重要です。Voyager は、亀裂・漏れ・表面欠陥を迅速かつ正確に見つけて解析するのに役立ち、製品をより早く、より低コストで市場へ届けることを支援します。 Cracks は、構造破壊・衝撃・摩耗などに起因する材料内部の割れ・亀裂・不連続です。 Surface voids / pitting は、材料表面の小さな凹みや空洞です。劣化、腐食、機械的損傷、製造プロセス起因などで生じます。 Leaks は、本来密閉されるべき系から流体やガスが意図せず漏れる経路を指します。 これら欠陥は、肉眼で見える大きな亀裂から、微小なヘアラインや表面変形まで多様です。構造健全性、性能、外観、信頼性・安全性に影響を与えます。

セットアップ

本機能の実行には Integrity Analysis のアクセスが必要です。 Porosity Analysis と同様に、次の手順で実行します。
  1. 解析対象のボリューム (再構成または ROI) を選択し、上部ツールバーの “Cracks” をクリック (逆順でも可)
  2. しきい値を設定。2D スライス上で亀裂が見えることを確認します。調整中、青色で維持される領域が検出されやすい傾向です。
  3. 検出する最大亀裂径を設定。表面径がこの値未満の亀裂が対象となります。必要に応じ、ビュー左上のメジャーバーで目安を把握します。
  4. “Submit” をクリックして解析を実行。完了通知後に結果を閲覧できます。バックグラウンド実行のため、待機不要で他作業を継続可能です。
適切なしきい値は、スキャン条件、ROI 構成、亀裂形状などに依存します。細い亀裂は高いしきい値で強調されやすく、太い亀裂は低いしきい値で識別されやすい傾向があります。

結果の分析

解析完了後、左のデータパネルで対象ボリューム配下に結果が表示されます。クロップ、外観/不透明度、スライス軸等は他環境と同様です。 手順:
  1. データパネルで Crack Detection を選択
  2. 目的のビュー (3D、2D 軸) を選択。3D/2D 間のクロスリンクで、クリックした亀裂に対応する断面へ移動可能
  3. 個別欠陥を選択すると “Selected Crack Metrics” としてサイズ・形状・位置を表示
  4. 全体メトリクス はテーブル形式
  5. Data Map を調整して特定サイズ帯を強調・除外
  6. Limit to Range でメトリクスを選択範囲に限定し、全体との比較を実施
  7. Download で CSV を取得可能
パフォーマンスに課題がある場合は、設定のビューポート解像度や Data Map 範囲を調整してください。